【統制のプロが解説】RPAセキュリティリスク徹底対策—情報漏洩を防ぐ運用ルール5選

「RPAが危ない」のではなく、「管理されていないRPA」が危ない

RPAを導入する企業が増えるなかで、「セキュリティリスクは大丈夫?」という不安の声をよく聞きます。
確かに、RPAロボットは人間と同じアカウントや権限で動くため、設定を誤れば情報漏洩や不正アクセスにつながる可能性があります。

でも、実はRPAそのものが危険なのではありません。
問題は、ルールがないまま運用される「管理されていないRPA」です。

本記事では、RPA運用で注意すべき三大リスクと、すぐに実践できる安全運用のための5つの統制ルールを、デジタルレイバー株式会社の専門家がわかりやすく解説します。
「安心してRPAを使いこなすためのチェックリスト」として、ぜひ参考にしてください。

1. はじめに:RPAはリスクではない、管理されていないRPAがリスクである

RPAは、企業の生産性向上とコスト削減に不可欠なツールですが、その導入と並行して「セキュリティリスクはないのか?」という懸念も聞かれます。RPAロボットは、人間と同じシステムアカウントや権限で動作するため、ひとたび設定を誤れば、情報漏洩や不正アクセスの原因になりかねません。

しかし、R恐れる必要はありません。リスクはRPAそのものではなく、**「適切な統制ルールがない運用」**にあります。本記事では、RPA運用における三大リスクを明確にし、情報システム部門の皆様がいますぐ取り組むべき、情報漏洩を防ぐ運用ルール5選を、デジタルレイバー株式会社の専門家が解説します。

 

2. リスクの特定:RPA運用における三大リスク

RPA運用を始める前に、以下の3つの主要なリスクを理解することが、セキュリティ対策の出発点となります。

2-1. ロボットアカウントの権限超過リスク

多くの企業では、現場担当者のアカウントを流用してロボットを動かしています。このアカウントが業務に不必要なシステム権限まで持っていると、設定ミスや悪意のある操作によって機密データにアクセスできてしまいます。

 

2-2. パスワードの平文保存リスク

ロボットがシステムにログインするために必要なIDとパスワードを、ロボットのプログラムファイル内やExcelファイルなどに暗号化せずに保存してしまうケースです。ファイルにアクセスできる人間が容易に情報を抜き出せる状態となり、情報漏洩の危険性が極めて高まります。

 

2-3. 属人化とブラックボックス化による不正アクセスリスク

特定の担当者しかロボットのプログラムを理解できない状態(属人化)になると、設定変更のチェックが甘くなります。悪意を持った担当者による不正な処理の組み込みや、誤った処理によるシステムへの負荷増大を発見することが困難になります。

 

3. 具体的な対策5選:情報漏洩を防ぐ運用統制ルール

 

これらのリスクを排除し、安全なRPA運用を実現するために、以下の5つの統制ルールを徹底してください。

 

ルール 1:ロボット専用アカウントの利用と最小権限の原則

ロボットの実行には、人間が日常的に使用しない専用のアカウントを設定してください。そのアカウントには、ロボットが実行する業務に必要最低限の権限のみを付与し、他のシステムや機密データへのアクセス権を完全に分離します。

 

ルール 2:資格情報管理ツール(Credential Manager)との連携

パスワード、APIキーなどの機密性の高い認証情報は、RPAツール内の安全な保管庫、または外部の資格情報管理システム(例:Active Directory、CyberArkなど)で厳重に暗号化して管理します。プログラムファイル内にパスワードを直接書き込むことは厳禁です。

 

ルール 3:開発環境と実行環境の完全分離

ロボットの開発・テストを行う環境と、実際に業務を実行する本番環境は完全に分離します。これにより、テスト中の不具合が本番システムに影響を与えることを防ぎ、また、開発者が本番システムに不必要なアクセスをすることを防ぎます。

 

ルール 4:操作ログ(監査証跡)の完全記録と定期監査

すべてのロボットの動作(ログイン、データ操作、エラー発生)を詳細に記録する操作ログ(監査証跡)機能を有効にします。このログをIS部門などが定期的・自動的にチェックすることで、不正な処理や異常な動作を早期に検知できる体制を構築します。

 

ルール 5:セキュリティ監査チェックリストの導入

RPAのプログラムや、それを取り巻く運用ルールがセキュリティポリシーに準拠しているかを第三者の視点で定期的にチェックします。チェックリストには、「パスワードは暗号化されているか」「ログは3ヶ月以上保管されているか」といった項目を含めます。

 

4. 統制の実現:デジタルレイバーのサポート

セキュリティと統制は、RPA導入後の成功に不可欠な要素です。デジタルレイバー株式会社は、単なるロボット開発に留まらず、RPAの監査機能や統制プラットフォームの設計までを支援します。特に、内製化を進める際の「市民開発者」に対するセキュリティ教育とルールの浸透を徹底サポートします。

 

5. まとめ

RPAによる情報漏洩リスクは、適切なルールとツールによって確実に排除できます。いま一度、貴社のRPA運用における「セキュリティの甘い点」をチェックし、本記事で提案した5つのルールを適用してください。

RPAのセキュリティ統制に関する具体的なご相談は、ぜひ当社の専門家にお任せください。

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