【定着率100%へ】RPAの内製化を成功させる「スモールスタート」と「人材育成」ロードマップ

RPAを導入して「業務が楽になった!」と感じたのも束の間、数年後には「動かない」「誰も直せない」といった声が聞こえてくる——そんな状況、思い当たる方も多いのではないでしょうか。

外部ベンダーに任せきりにしたまま、担当者の異動やシステム更新が起こると、ロボットの仕組みが誰にも分からなくなる。結果、RPAは“ブラックボックス化”し、せっかくの自動化が止まってしまう。実はこれが、多くの企業で起きている「RPA失敗の共通パターン」です。

RPAを真に定着させるには、ロボットを自社の資産として育て、継続的に改善できる「内製化」が欠かせません。
この記事では、RPAを組織に根付かせるための現実的な内製化ロードマップと、成功の鍵を握る人材育成のポイントを分かりやすく解説します。

1. はじめに:多くのRPAが失敗する理由—「ブラックボックス化」の罠

RPAを導入した企業の多くが、初期の成功にもかかわらず、数年後に「RPAの放置」という問題に直面します。外部ベンダーに開発を全て任せてしまうと、担当者の異動や退職、あるいはシステム改修が発生した際に、誰もロボットのプログラムを理解できず、「ブラックボックス化」してしまいます。結果として、費用をかけて導入したRPAが停止し、業務が元に戻ってしまうのです。

RPA導入の真の成功は、ロボットを自社の財産として維持・改善していく「内製化」にかかっています。本記事では、RPAを定着させ、継続的な業務改善を実現するための、現実的な内製化ロードマップと人材育成の鍵を解説します。

 

2. 内製化のロードマップ:段階的に組織能力を高める3つのステップ

RPAの内製化は、全社一斉に始める必要はありません。小さく成功を積み重ねながら、組織全体の能力を段階的に高めていくことが重要です。

Step 1: パイロット導入(PoC)と専門チームの立ち上げ

まずは、成功しやすい簡単な業務を選び、外部ベンダーの支援を受けながらRPAの原理と開発プロセスを学びます。この段階で、技術知識と業務知識を持つメンバーで構成された「RPA推進チーム(CoE: Center of Excellence)」を発足させ、開発ルールと統制の基盤を築きます。

 

Step 2: 業務部門への開発展開(開発者の育成)

CoEが統制を取りながら、実際に業務を熟知している業務部門の担当者(開発者)にRPA開発ツールを提供し、自部門の自動化を任せます。これがRPAの裾野を広げ、現場主導の改善文化を生み出す核となります。

 

Step 3: 統制と監査の確立

内製化が進むと、野良ロボットが発生するリスクが高まります。CoEは、開発標準の策定、定期的な監査、ロボットのバージョン管理などを徹底し、開発の自由度を保ちつつ、セキュリティと品質を維持する統制プラットフォームを確立します。

 

3. 内製化成功の鍵となる人材育成:2つの重要な役割

内製化を成功に導くには、異なる役割を持つ2種類の人材育成が必須です。

役割 目的 主なスキルセット
CoEメンバー 全体の統制、技術的な難易度の高いロボット開発、現場への支援、ルール策定。 プログラミング知識(必須ではない)、ガバナンス、プロジェクト管理、高度なエラー対応。
開発者 自身の日常業務におけるアイデア創出と簡易ロボットの開発・保守。 業務知識(必須)、RPAツールの基本的な操作、業務フロー設計能力。

デジタルレイバー株式会社は、単なる開発者育成ではなく、CoE向けの統制・監査トレーニングから、業務部門向けの「業務選定」に特化した研修まで、貴社のフェーズに合わせた実践的な教育プログラムを提供します。

 

4. 失敗事例からの教訓:避けるべき2つの罠

内製化を試みる企業が陥りがちな失敗パターンを知ることで、成功への道のりが確実になります。

  • 罠 1:いきなり複雑な業務から始める

    • 教訓: 難易度の高い業務はエラー処理が複雑になり、CoEの負担が増大し、初期段階で挫折しやすくなります。まずは「簡単な作業」で成功体験を得ることが、モチベーション維持に繋がります。
  • 罠 2:全てを開発者に丸投げする

    • 教訓: 開発者に任せきりにすると、セキュリティや開発ルールが守られず、統制が崩壊します。CoEは常に技術的な相談窓口となり、開発されたロボットを必ず監査する体制が必要です。

 

5. まとめ:継続的な業務改善の実現へ

RPAは導入がゴールではなく、継続的な改善が本質です。内製化によって現場に改善のエンジンが搭載されれば、業務の変化に迅速に対応できる自走する組織へと進化できます。

貴社も内製化によるRPAの定着を目指すのであれば、当社の教育・育成サポートをご活用ください。成功のロードマップと、現場が使えるスキルを確実に身につけるためのプログラムをご提供します。

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