近年、ChatGPTをはじめとするAIツールが急速に普及し、経理業務への活用も広がっています。仕訳の確認、レポート作成、データ分析など、AIは経理の効率化に大きな可能性を秘めています。しかし、経理でAIを活用する際には、特有のリスクや注意点があります。本記事では、経理担当者がAIを使う際に知っておくべき重要な注意点をまとめました。
■ 1. 機密情報・個人情報を入力しない
最も重要な注意点です。一般的なAIチャットサービス(ChatGPTなど)に入力した情報は、AIのトレーニングデータとして利用される可能性があります。そのため、以下の情報は絶対に入力しないようにしましょう。
・取引先の社名、担当者名、連絡先
・売上や経費などの具体的な金額データ
・給与情報、社員の個人情報
・銀行口座番号、クレジットカード情報
・未公開の財務情報
業務利用の場合は、企業向けプランや社内専用のAI環境(オンプレミス型)の利用を検討することをおすすめします。
■ 2. AIの出力結果を鵜呑みにしない
AIは非常に自信に満ちた回答をしますが、間違いを犯すことがあります(「ハルシネーション」と呼ばれる現象)。経理・会計の分野では、税法や会計基準に関する情報が誤っている場合があります。AIの回答はあくまで「参考情報」として扱い、必ず専門家や公式の情報源で確認することが重要です。
■ 3. 税務・会計基準の情報は最新を確認する
AIの学習データには時間的な制限があります。税率の変更、会計基準の改訂、法律の改正などは、AIが学習した時点から変わっている可能性があります。税務処理や財務報告に関わる情報は、国税庁や会計基準委員会などの公式サイトで最新情報を確認しましょう。
■ 4. 最終的な判断は人間が行う
AIはあくまでサポートツールです。仕訳の承認、財務諸表の確定、税務申告など、重要な意思決定は必ず人間が責任を持って行う必要があります。AIの提案をそのまま採用することなく、経理担当者としての専門的な判断を加えることが求められます。
■ 5. 社内規定・コンプライアンスの確認
AI活用に関する社内ポリシーがある場合は、それに従う必要があります。また、金融機関や上場企業では、情報セキュリティや内部統制の観点から、AI利用に関する規制が設けられている場合があります。利用前に必ず確認しましょう。
■ 6. ログの保存と監査対応
経理業務はその性質上、処理の根拠を明確にして保管しておく必要があります。AIを活用して処理を行った場合も、どのような指示をAIに与え、どのような出力を得たのかを記録しておくことが望ましいです。将来の監査や内部統制対応のためにも、作業記録を残す習慣をつけましょう。
■ まとめ
経理でAIを活用することは、業務効率化に大きな効果があります。しかし、機密情報の漏洩防止、出力内容の検証、最新情報の確認、人間による最終判断の徹底が不可欠です。AIを「賢いアシスタント」として正しく活用することで、経理業務の質と効率を高めることができます。
弊社では、経理・会計業務へのAI・RPA導入支援を行っております。安全で効果的なAI活用についてお気軽にご相談ください。